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「くいもの処明楽」 ヤマシタトモコ

Book くいもの処明楽

著者:ヤマシタ トモコ
販売元:ソフトライン 東京漫画社
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居酒屋『くいもの処 明楽』の店長・明楽高志のそこそこ順調な人生は、年下の生意気なバイト店員・鳥原泰行からの突然のマジ告白と「危機感ヨロシク」発言によって一変する。年上としての意地も、男としてのプライドも通用しない鳥原に平穏な日々を乱されビビる明楽だがー!?
大好評「明楽」シリーズほか、高校生の切ない恋心を描いた読み切り作品と描き下ろしをたっぷり収録したファン待望の初コミックス!


ダリアに掲載されていた読みきりを読んで以来、単行本が出るのを心待ちにしていたヤマシタトモコさん。
カタログシリーズで描かれてるのを知ってからは、本屋に行くたび買いたいのを必死で我慢してたんですが、ようやくそれがまとまったと知り、喜び勇んで買いに行ってきました。
たまらんかったです…!!

「くいもの処 明楽」
無愛想で生意気、ネガティブな年下攻と、明るくてあほなおっさん受です。
攻の鳥原の告白から始まり、二人が結ばれるまでの話。
すごく面白かったです。本当によかった!

まずキャラクターが魅力的。
明楽はあほで明るくて面白いやつです。普段は色気はあんまりないですが可愛いです。可愛くてたまらん。でもおっさんらしくくたびれたところもずるいところも持ち合わせていて、そこもいいなあと思いました。
鳥原から告白されて、平穏な日常を乱されうろたえてる明楽は可愛かったです。うるさくて傍迷惑な悩み方ですが、そこが明楽のいいところ(?)ですね。ついに結ばれる、というときまで喋り続けて若干うるさいのもご愛敬。だからこそそうじゃないときが余計に色っぽく感じます。明楽大好き!

一方の鳥原は生意気で可愛げはないですが、色気があります。明楽を見つめる真剣な目がやたら色っぽく見えて弱りました。クールであんまり明楽を好きなそぶりを見せませんが、時々出る余裕のないところなんかを見ると、明楽のこと好きで仕方ないのが分かって、やっぱり可愛く思えてきたり。

他の登場人物も魅力的です。
鳥原と明楽の関係に気がついた明楽の年上の幼馴染で居酒屋のオーナー牧さんが愛情深くて特に好きです。パパ…!
巻末には居酒屋で働く人たちの紹介漫画が一人につき1ページずつ収録されてるんですが、どの人も個性的でとても素敵でした。もっと読みたいなあ。

それから会話がすごく軽妙で面白いです。買った後我慢し切れなくて電車の中で読んでしまったんですが、笑いをこらえようとしたら喉から変な音が出ました。電車ガラガラでよかった…。
「やるとかやらねーとかがそんなに大事かしら」
「やるとかやらねーとかが男にとって大事じゃなかったことがあるかしら?」
最高!
他にもたくさん好きな場面があります。
言葉選びとかがいいなあ。これだけでもう漫画として好きです。

でもそれだけじゃなくて、そこにさらに色気が加わります。ふざけた会話から一転してシリアスな場面に突入すると、そのギャップにもうどきどきです。えろはほとんどないんですが、何だか全編に渡ってすごい色気が漂ってるような気がしました。第一話なんかキス未遂のみなのに心の中でぎゃーぎゃー言ってしまいましたよ!

年とか性別とかしがらみの多い、感情だけで突っ走ることなんてできない恋。それをしっかり突き詰めて描かれてるからこんなに素敵なのかなーと思いました。
それから甘さのない関係がいいです。性格のせいもあるんだろうけど、男同士だからって言うのもあって、鳥原は甘やかしてくれません。追い詰めて突きつけて、本音を言わせようとします。
普段、攻が受にでろでろに甘いお話を好んで読んでいるので新鮮でした。対等という感じで、こういうのもまたいいものですね!どきどきしました。

それから鳥原目線の続編がかきおろしで収録されているんですが、ここではいつもはくそなまいきで「なにおまえ王様?」な感じの鳥原が、明楽を好きすぎるあまりにぐるぐる思い悩んでいるのが可愛かったです。でも苦しんではいるんですが、シリアスにはなりすぎないでちょこちょこ笑わせてもくれます。
「あなたへの恋のカタマリなんです おれ」とか、ほんっとうに可愛いなあ鳥原。
明楽が本当に好きなんだなー。このお話では完璧に明楽が上でした(いろんな意味で)。
鳥原があまりに可愛くて、そして明楽があまりにあっけらかんと明るいので、攻守交代ありだなと思いました。

やーこのシリーズすごく好きです。
甘さはないけど色気があって、どきどきするけど笑えもします。ああこういう漫画が読みたかったんだ!
台詞やモノローグの言葉使い、ストーリー、キャラ、独特の雰囲気、全部がツボ。大満足!

「フォギーシーン」
友達に片思いをしている男子高校生の透が、ゲイバーで出会って一度だけ寝た相手と、教師と先生として再会するお話。
たいてい漫画読むときって(特にBLは)こうなるんだろうなーとか自然に考えてしまいますが、これは予想したところに着地しませんでした。この後がすっごく気になる。これからどうなるんだ!
どうにもならない恋をしていて、その上楽なところに落ち着きたくてもそうできない透がひたすら切ないです。途中ちょっと泣きそうになりました。
とてもシリアスで、やっぱり甘くない話。
都合よくは行かないんだなあ。あああ読むたび切ない。どうにかして幸せになれないものか…。

「リバーサイド・ムーンライト」
ゲイで面喰いの南田が、「『ぽっちゃり』と『デブ』の境界線上をかぎりなくギリギリでさまよってるザ・おっさん」な川辺さんの夢を見て夢精してしまったという話。
川辺さんの説明がまた面白くてたまらない!
ぽっちゃりでおっさんの受です。でもしっかり萌えてしまいました。だって可愛いんだ…。
動揺してる南田も楽しかったです。
このお話もツボにはまりました。短編ですがしっかり面白かった!

けっこうばらばらな三つのお話を読んで、それから雑誌でも何度かお見かけしたんですが、どれもはずれがなくてすごくいいです。
ヤマシタさん、とにかく大好きだ!これからも期待です!

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