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「犬も歩けば恋をする」 夏水りつ

犬も歩けば恋をする (花音コミックス) Book 犬も歩けば恋をする (花音コミックス)

著者:夏水 りつ
販売元:芳文社
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「この縄? あっくんを縛る縄だよv」
突然、元同級生の今井から、小説のモデルになって欲しいと連絡が来た。二つ返事でOKしたものの、オイッ小説は小説でも…SMじゃないか! かっこよくて万能で……超変態メガネ☆な人気SM官能小説家の甘~いラブアタックに悶えちゃう、きゃわわ大学院生受難物語vvv描き下ろし&激しめ妄想劇場もモチ収録v

面白かった~!
やっぱり夏水さん好きだなあ。
あれこれ考えず純粋に、BLって楽しいなあ!と、幸せな気持ちで読めるのでいやされます。
でも今回はちょっとイメージが違ったような気がします。
えろが多かったからかな?

「犬も歩けば恋をする」「嘘つきは愛の始まり」「恋は一日にして成らず」
表題シリーズ。
顔も頭もよくて完璧なのにとっても変わっている今井と、そんな今井となぜか気が合って友達づきあいをしていた、ごくごく普通の男のあっくん。
今井がフランスの大学に進学してから二人は会っていなかったんですが、今井があっくんにいきなり小説のモデルを頼んだことで再会することになります。
しかし5年ぶりに会った今井は官能小説家になっていて、あっくんにセーラー服を着せ、縄で縛ろうとするのでした。(実際縛った)
というお話。

何よりもまず、今井のナチュラルな変態っぷりが笑えます。
あっくんを驚かせようと思って変態発言してるんじゃなくて、ごくごく自然に口をついて出た言葉が変態。
これはもうしょうがないね!
あっくんのことで頭がいっぱいで、執筆中の小説の登場人物(えろいことされてるひと)が気が付けばあっくんになってしまってたり、それ以外にも数々の妄想をしていて、それがとても楽しかったです。
「ココにお注射して下さい…ッ!」とかベタなんですけど、面白くてえろかったですね。
コスプレは弓道着がいいです。好きです。
変態スイッチが入ったときのいっちゃってる顔も笑えました。正直怖いよ!

でも、あっくんに夢中な今井はとっても可愛いです。
ナチュラルに変態で、これはもうたぶん治るとか治らないとかいう話じゃないんだろうけど、でもあっくんを嫌がらせないようにと、妄想や変態っぷりを抑えようとする妙な努力が素敵でした。
こういう、物腰がやわらかくてロマンティストな感じのする、ちょっととらえどころのない変人好きだなあ…。
それに加えて、今井はあっくんのことが大好きでたまらないのが幸せそうな表情でよく分かって、それがすごく微笑ましかったです。

そしてそんな今井に好かれる大変なあっくん。
あらすじ、「きゃわわ」って!笑
あっくん、まつげばっさばさでとても院生には見えない可愛い子なので分かるような気もしますが、でもきゃわわって!

あっくんは普通の人なんですが、でも今井があっくんを好きになった理由はすごく納得できるものでした。
このきっかけがめちゃくちゃ可愛くてきゅんとしました。
あっくんが可愛いからでもコスプレが似合うからでもないんです。
いや、でもあのあっくんの笑顔や照れ顔はたまらなく可愛いな…。
でもそれだけじゃなくて、あっくんだけは、変わっていると言われ慣れてた今井を、変わってると言いつつも、初めから受け入れてくれていたから。
それを思い出す今井のモノローグがすごく好きです。

むしろ今井のことをあっくんが好きになったほうがちょっと不思議なんですが、好きなんだから仕方がない。うん。

あっくんの乙女っぷりも可愛かった~。
付き合い始めてからも「好き」って言われてないのが気になるんだけど、高校時代今井が、付き合ってる女の子が言葉を求めるのを面倒くさがってたのを知ってるから、何も言い出せないのです。
自分だけ好きなのかって悩むのもいい!醍醐味!
それで今井が「高校生に戻ってやり直したいよ どうして僕 あっくんに告白しなかったんだろう」と言っていたのを思い出して、高校のときの制服を着て、今井の部屋まで行くんです。
何だその乙女回路!可愛い可愛い。
コスプレも、今井のことが好きで恋人だからするんだっていうのも何だかよかったなあ。
けなげです。

1話で、コスプレからそのままえっちになだれ込んでしまうのではなく、5年前言えなかったこと、気づけなかったことを、高校時代をなぞってやり直してるのもすごくじーんとしました。
イメクラみたいだってちょっと思ったけど、二人には大事で欠かすことができないものだったんだと思います。
この真面目さ、ちゃんと気持ちに向き合う、即物的すぎないところが好き。
はさみこまれる高校時代の二人のやりとりも何気ないけどたまらなくきゅんとする。
全体的に、まず気持ちありきですよね。
コスプレでえろえろだけど、やっぱり少女マンガだ。

おまけペーパーでは、今井が読者の声(3通の手紙)を免罪符にあっくんにスクール水着を着ることを要求するも、当然のごとく拒否され、しかしめげずに上からセーラー服を着ても良いからと譲歩していました。
あっくんも言ってましたが、余計変態だ!
今井…全体的にそうだったけど、読んでてツッコミが追いつかないよ…!
でも、正直スク水はだめだろうと思っていたので、セーラー服を着ていてくれてよかったです。
正直に言うと、あっくんが恥ずかしがって嫌がってくれさえすれば、どんなコスプレでも萌えられる自信はありますけどね!


「山田くんと田中課長」
リーマンだけど異色な、1ページ漫画のこのシリーズ。
これ大好きです!
ある朝山田くんが出社すると、田中課長が小さくなって自分の机で待っていた、というもの。
なぜいきなり田中課長がてのひらサイズになっていたのかはわかりませんが、課長が可愛いからいいよね~(めろめろ)となってしまいます。
きっと山田くん以外の社員のみんなも同じ気持ちなんでしょう。
小さい体でよちよちペンやはんこを持って書類を作成したり、山田くんに持ってもらいながらミーティングで話したりするんです。
態度はえらそうだったりするんですが、ものすごく可愛い。
ものすごく可愛い。
何このマジック…!

クールで生意気な感じの山田くんもよかった。
無表情で言うことは言うけどしっかり田中課長の面倒を見てくれます。
あと、食事中のときのネクタイの描写がたまらなくツボでした。
ネクタイの先を肩に流してかけてるんですが、これ器に入らないようにですよね!
描写細かいなあ。萌えた~!
この小さなコマに夏水さんの深いリーマン愛を見ました。

「ブルボン貴族物語」
ちょこっとですが、前作に引き続き収録されてるこのシリーズ。
こっちもやっぱり大好き。あのお菓子を見かける度に思い出してしまいます。
相変わらずルゥ兄さんは可愛いローリーにいじめられていました。
本当にいじめられるのが似合うなあ。

小池くんとエール兄さんも気になります。
今巻のあとがきではかりんとうとえび満月も登場していましたが、それも面白かった!
夏水さんの発想力に惚れます。
お菓子コーナーが宝の山に見えてきてしまう…!

夏水さんは、こういう妄想からもBL大好きなんだろうなと伺われて何だかうれしくなります。
コミックエッセイとか描かれても楽しそうですよね。
いろんな妄想見てみたいな~。

「お手やわらかに仔猫ちゃん!」
家庭教師の先生に恋をし告白した静也は、18になるまで何もしないけど、という条件で恋人にしてもらいます。しかし、晴れて18歳になったのに、先生は気が変わったと言って何もしてくれない、というお話。

先生をその気にさせようと、あの手この手で誘惑しようとする静也が楽しいです。
わざをコップを落としてズボンを濡らし生脚を晒してみたり、びしょ濡れシャツで部屋を訪れたり、コスプレしてみたり。
このベタさがあほでいい!
こんな可愛いのにまっすぐ来られたら先生もたまらなかったでしょうね。

がまんしてた先生の考えは正しかったと思いますが、それも静也は簡単に踏み越えていきました。
「もしこの先後悔しても それは全部僕のもので 先生のじゃない」という台詞の臆面のなさは、若さゆえって感じがしつつも、自立していてかっこよかったです。

それにしても静也は、友達に相談に乗ってもらってお色気大作戦なんてしなくてもよかったんじゃないでしょうか?
最後の殺し文句はコスプレなんかよりずっと効果的だったように思います。

「ビター・スウィート・ストロベリー・ハニー」
カフェの店長の美村と、そのカフェの常連でカフェと同じビルに入ってる探偵事務所に勤めている宇木さんのお話。
一番最後の探偵事務所のバイトの女の子の、「恋は誰でも乙女にしちゃうんだなあと思ってさ」という台詞が全て物語っている、可愛らしいお話でした。
この台詞、夏水さんのお話全般に言えるというか、この考えが夏水さんの根幹にあるんだろうなあと思いました。
このお話がこの1冊の中では1番夏水さんらしかったですね。

宇木さんは地味で無愛想な感じの人で、だけど雨の中捨て猫を拾ったり、いちごが好きだったり、強気だったり弱気だったりして、あとたぶん照れ屋で、とにかく何とも可愛い人です。
その隠れたところに美村が気づき、可愛いと感じるようになって、恋していく過程が丁寧に描かれています。
宇木さんは実はずっと美村のことが好きなんだけど、それを隠しながら、バイトの女の子につきあってるふりをしてカフェに通ってたんだろうと考えるともうたまらないものがあります。
王道な感じなんだけど、二人とも可愛くていじらしくて、きゅんきゅんしながら読みました。
いい大人なのに真っ赤になったり泣いたりして一生懸命恋をしてる二人が大好きです。
乙女な恋っていいものですよね!

ということで、盛りだくさんで可愛い1冊で大満足でした!

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